弁護士吉田正毅が執筆した『税務調査対応の「事実認定」入門』が、株式会社ぎょうせいから発刊されました。

　本書は、主として税務調査に携わる国税職員、税理士、またこれから税務調査対応をされようとしている弁護士の方々を対象とした税務調査のための事実認定の入門書です。月刊「税理」（ぎょうせい）で平成２９年１月号から令和元年１２月号まで３年間連載した「税務調査のための事実認定入門」の記事をベースに加筆修正を行ったものです。
　事実認定について、弁護士や裁判官は、司法試験に合格した後、実務家になる前に、司法修習生として、司法研修所、裁判所、弁護士事務所や検察庁で約１年間の研修を受けることとなるのですが、税務実務をされている国税職員や税理士の方々は同様の研修を受ける機会が少ないのではないかと感じ、税務調査に携わる国税職員や税理士の方々向けに、民事訴訟での事実認定の基本的な考え方が理解できる記事は有益と考えて連載の執筆を開始し、今般本書として出版するに至りました。
　本書は、３つの章からなっており、第１章で税務に関する証拠に絡めて民事訴訟における事実認定の基本的な考え方を概説し、第２章でケーススタディとして税務訴訟の判決を題材に裁判所がどのように事実認定をしているかを紹介、検討しています。第３章は、税務調査手続において、法律には規定されていない税務署内部で作成される資料を基に税務署側の視点からの事実認定の方法をまとめました。第１章から第３章を読まれることで、国税職員や税理士の方々には税務調査における事実認定の概要をご理解いただき、税務調査の際の参考になると思います。また、これから税務調査対応をされようとしている弁護士の方々にとっても税務事件での特徴的な証拠とその事実認定の概要や税務調査の具体的な手続実務をご理解いただき、税務調査対応の参考になるものと思います。
　巻頭には、大阪大学大学院高等司法研究科の谷口勢津夫教授より、推薦のことばをいただきました。

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