弁護士吉田正毅の論文「貸倒損失と取締役に対する損害賠償請求権」が月刊税理2016年10月号に掲載されました。
法人が貸倒損失を計上する場合、そもそも貸付けが経済的合理性を有しないとして、貸付けが寄附金や役員賞与などと評価される場合があります。さらに、そのように経済的合理性を有しない貸付けをした取締役に対しては、損害賠償請求が認められる場合もあります。つまり、貸付けが経済的合理性を有しない場合、貸倒損失としての損金計上は認められず、さらに取締役に対する損害賠償請求権が益金として計上され、法人としては、何らの担税力の増加があったわけではなく、むしろ取締役の行為から損害を被っているにもかかわらず、税金がかかる可能性があります。
本稿は、貸倒損失の要件及び裁判例を整理し、上記のような結論の妥当性を検討したものです。
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