平成30年7月,民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律が成立し,民法のうち相続法の分野について,社会経済情勢の変化に対応した見直しがされました。改正法は,一部の規定を除き,2019年(平成31年)7月1日から施行されますが,自筆証書遺言の方式緩和については,平成31年1月13日から施行され,また,配偶者居住権に関する規定等は,2020年4月1日に施行されます(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行期日)。
この相続法改正について,政府や法務省から有益な解説資料が多く公表されていますので,それらのご紹介をしたいと思います。
政府広報オンライン
今回の相続法改正のポイントを一般の方向けに解説しています。
政府インターネットテレビ
法務省民事局長の小野瀬厚氏が,相続法改正のうち,配偶者居住権と自筆証書遺言,特別寄与料に関する改正について,一般の方向けに5分程度の動画で紹介しています。
相続法改正の概要について
民法(相続関係)改正の概要が1頁で掲載されています。
以下の資料は,相続法改正の各項目について,①見直しのポイント,②現行制度,③制度導入のメリットが1頁にまとめられており,短時間で概要を把握されたい方に有益です。
1 配偶者の居住権を保護するための方策について
・配偶者短期居住権について
・配偶者居住権について
配偶者居住権の価値評価(簡易な評価方法)について,2頁目に記載されています。
2.遺産分割に関する見直し等
・長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等について
・相続された預貯金債権の仮払い制度について
・相続開始後の共同相続人による財産処分について
3.遺言制度に関する見直し
・自筆証書遺言に関する見直し
・法務局における遺言書の保管等に関する法律について
遺言書保管法の概要について記載されています。
4 遺留分制度に関する見直し
・遺留分制度の見直し
5 相続の効力等に関する見直し
・相続の効力等の見直し
6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
・相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
相続法の改正についての法律や改正の概要がまとめて掲載されています。上記で紹介した概要のリンクもあり,より詳細に解説されています。
法務局における遺言書の保管等に関する法律について
遺言書の保管等に関する法律や概要がまとめて説明されています。上記で紹介した概要のリンクもあり,より詳細に解説されています。
以上が,政府と法務省が公表している相続法改正に関する解説資料の紹介になります。以下ではそれ以外の有益な資料をご紹介します。
相続法改正の概要
日本大学教授・弁護士の松島隆弘先生が,税理士向けに1時間程度,相続法改正の概要を解説している動画が掲載されています。
法制審議会-民法(相続関係)部会
専門的な内容となってしまいますが,改正についての法制審議会での会議の議事録等が掲載されています。
文責 弁護士 吉田正毅